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認知症外来

認知症とは、何らかの脳の障害によって、いったん正常に発達した知能が低下した状態をいいます。
以前は、このような状態を「痴呆」と言っていましたが、倫理・道徳的に問題があるということで厚生労働省で検討会が行われた結果、平成16年12月から正式に「認知症」と言うようになりました。

認知症の診察・診断

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー病は1907年にドイツのアロイス・アルツハイマー博士によって報告されてその名がつきました。単なる老化でも見られますが、「βアミロイド」という異常なたんぱく質が脳に沈着し、正常な脳神経細胞を死滅させていくことが原因とも考えられています。

■症状 (アルツハイマー病の進行は3段階に分かれます。)
第1期
  • 物事を忘れる……健忘症
  • 読み、書きが困難になる
  • 今いる場所、時間、自分の1住所が分わからない……失見当識
第2期
  • 道に迷う……空間的見当識障害
  • 徘徊をする
  • 言葉のやり取りがうまくできず、用件を他人にうまく伝えられない
  • 着替えがうまくできない、いろいろな図形が書けない……失行
第3期
  • 小刻み歩行、前傾姿勢……運動障害
  • 最終的には、身動き一つしない、言葉も発しない寝たきり状態になる
■早期発見と治療

アルツハイマー型認知症の根本的な治療法はまだありませんが、薬物治療では記憶や認知機能に関係する物質を補うことで、症状の改善や進行が抑制されたり、また原因物質と考えられている「βアミロイド」を溜めないようにする治療も開発しつつあります。

脳血管性認知症

脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が起きて、後遺症として認知症になるものです。突然の脳血管障害で急激に認知症を発症したり、小さな脳梗塞を繰り返して徐々に認知症が現れる場合があります。

■特徴・症状

脳血管性認知症は脳血管障害の発作によって突然症状が現れたり、徐々に悪化したりします。障害の部位でも症状が異なるので、理解力や判断力は保たれて人格はしっかりしているように見えても、記憶力が低下していると言ったような「まだら認知症」もみられます。また、発症の原因である脳血管障害を引き起こす、高血圧・高脳血症、糖尿病や心臓疾患などの生活習慣病を患っていることも大きな特徴です。ですから、これらの生活習慣病を予防・治療することが認知症の予防にもつながります。
主な症状は前記したアルツハイマー型認知症と大きな違いはありませんが、病気の進行や症状の出方は 異なります。

■アルツハイマー型認知症との違い
  アルツハイマー型 脳血管性
年齢 75歳以上に多い 60歳代から
性別 男:女=1:3 男性に多い
経過 進行 脳血管障害の発作に伴って段階的に進行
病識 ほとんどない 進行するとなくなる
他の自覚症状 少ない 頭痛・しびれ・めまい
持病との関係 関係は少ない 生活習慣病を持っていることが多い
特徴的な傾向 落ち着きがない 精神不安定になることが多い
人格 人格崩壊 ある程度保たれる
認知症の性質 全面的な能力低下 まだらぼけ
■治療

脳血管性認知症そのものに対する確実な治療方法はまだ無いため、それを引き起こす脳血管性障害の治療・再発予防が認知症の治療に結びつきます。現在は脳血流改善薬、脳血管拡張薬、脳代謝賦活薬などが有効とされています。また、脳血管障害の原因である高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を予防するとともに、バランスのとれた食生活や適度な運動、肥満予防、喫煙や飲酒の抑制、精神的ストレスの緩和などが大切です。